最近インスパイヤーされた三冊の本の二冊目は『食う寝る遊ぶ 小屋暮らし』です。さすが建築デザイナーです。そのセンスよき原始?生活のイラストや写真を見て体中が熱くなってきます!
三冊目の一冊目は金曜日のブログに書いた『猪谷六合雄スタイル』でした。
→新しい「人生アルバム」
今日は二冊目、浅間山のふもとで「線と管に繋がれていない生活」を実践している建築デザイナー中村好文さんの本『食う寝る遊ぶ 小屋暮らし』を紹介します。
著者が友人から借り受けたのは、開拓者がつくったこの家です。
この家は実はブロック造りであったのですが、あえてその構造を残し(開拓者への敬意をもって)、実にうらやましい「素敵な小屋」に変身させました。
著者はこの小屋に次のような特徴を持たせることにしました。
・電力は風力発電とソーラー発電でまかなう。
・水は屋根で集めた雨水を浄化して使う。
・調理は炭火を燃料とする七輪またはキッチンストーブ。
・お風呂は薪で焚く五右衛門風呂。
・トイレは簡易水洗トイレ(くみ取り式)
まずは、この敷地が魅力的ですね〜。あえて土地の真ん中を広くとり、さらに畑もあれば離れもあります。とても広々とした感じがします。
家は片屋根にして雨水を集めやすくし、それを腐敗防止のため地下タンクに導き、高架槽へは昔井戸に使っていた手押しポンプを使います。
排水は雨水に混じった落ち葉やゴミと一緒に浸透ますへと導き、土地へ自然浸透させます。(そのため化学洗剤は用いないそうです)
実にローテクながらシステマティックです!
ほらね? 線にも管にも繋がれていないでしょう?
しかもどう見ても不便そうでしょう?
ところが不便や不自由は、本来人間の持っている「生活の知恵」を呼び覚まし、「創意と工夫」を生み出す原動力かもしれません。休日を小屋で過ごすようになってから、手も足もじつによく働くようになり、賢くなったと、自分でもそう思うのですから・・・
竈の代わりに七輪キッチン。そのまま外にも持ち出せるのでロー・ハイテクかも?
屋内面積がたった10坪なのに、広そうできれいなキッチンですね〜。給水はポリタンク水道。もともとこれでいいんじゃないですか?
屋内だけで9人が(快適に)寝ることができるようです。しかも今はやりの古民家風離れ屋高級旅館みたいな雰囲気で。
大きなテーブルで、気のあった仲間と晩餐。人生最高級の至福の時ですね〜〜。
驚くべき発想は母屋から結構離れた風呂に書斎をドッキングしたことです!
「起きて半畳、寝て一畳」的な大きさ(小ささ?)が、私にはとても居心地がいいのです。
私はここに掘りごたつ式の居場所をしつらえ、小机の前には佐久平と八ヶ岳を眺める窓を作りました。
・・・この小屋の居心地の良さをどう表現したものでしょう。この小屋に入ったとき、自分の巣穴に戻ってきた小動物のような気持ちになるのですが、それがうまくことばになりません。
心と身体の内部から、満足と安堵と達観を足して三で割ったような感情がヒタヒタと湧き上がってくると書いたら、少しはその感じがお分かりいただけるでしょうか。