漢字一つで大変身

 たった一文字変えるだけで印象がガラリと変わることがあります。その効果を利用して地域興しをしている方を知りました。
 古い狂歌にこんなのがあります。

 「世の中は澄むと濁るで大違い、人は茶(ちゃ)を飲み、蛇(ぢゃ)は人を飲む」

 「ち」が「ぢ」に変わっただけで、ホームドラマからホラー映画へ大変身です。

 同じように、漢字一文字変えるだけで「メロドラマ」が「青春ドラマ」に大変身、という例があることを知りました。

 昨日紹介した藻谷浩介さんの『里山資本主義』から、漢字と地域興しの面白い関係について紹介いたします。

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 →NHKの放送はこちら「里山に眠る“エネルギー”(1)」

過疎を逆手にとる

 ・・・そのような経験によってなのか、生来なのか、和田さんは、どんなネガティブな言葉も前向きに解釈し、いいように作りかえる。

 田舎暮らしをマイナスのイメージで捉えるのではなく、楽しいものだと考えるための言葉遊びだ。

 そんな和田語録をいくつか。

光齢者

 和田さんは、年をとつた人々を「高齢者」とは呼ばない。「光齢者」と呼ぶ。

 人生いっぱい経験して、「輝ける年齢に達した人」たちである。

 「田舎には、高齢者しかいない」というと、「役に立たない人ばかり」というイメージになるが、「光齢者が多い」と言えば、生きる名人がたくさんいるのだと考えられる。

 情けないことなど、何一つないのである。

笑エネ

 省エネも「笑エネ」と書く。つまり、笑うエネルギー。

 省エネという言葉には、どうしても我慢するというイメージがつきまとう。

 これでは長続きしない。楽しくエネルギーを使おうではないか。

 エコストーブを使えば、みんなで笑いながら火をおこすことができる。笑エネが出ると、体だけではなく心も温まる。

志民

 そして里山暮らしの仲間は「志民」と呼ぶ。

 「市民」ではなくて、「志を持った人々」。

 それは、明治維新で活躍した志士たちのような、行政や政治任せにするのではなくて、人のため、地域のため、社会のため旨分で動ける人々。持てる物、出せる物を喜んで出して、喜んで汗を流せる人々。

 笑顔がある人は笑顔、汗が流せる人は汗、知恵がある人は知恵、そしてお金がある人はお金。

 そうした志民が提供する力は、「第三の志民税」。直接税、間接税に並ぶ、お金ではない大きな力。それが里山を活性化させる。

 「こんな志民運動を、過疎を逆手にとる会などでやっています。もちろん政治が悪い、親が悪いということはどの時代でもあります。それでも、自分の人生は自分で作ろうと思ったほうが幸せになれる可能性が高いんじやないかと思って、志民になろうと呼びかけています」

 漢字って実に面白いし、深いものです。

 特に最近はパソコンキーボードが鉛筆代わりなので、日本語変換時、時々パソコンが笑わせてくれます。

 「にょうぼう」を変換したら「女棒」と出てきたり、「どくそうむら(独創村)」を変換したら「独走村」「毒素村」と出てきたり。

 なにか、「実はこんな要素もあるんじゃないの?」と機械が教えてくれるような。。。

 もうすでに生物と無生物間の精神?融合が進んできているのかもしれません(笑)

 パソコンと結婚しているような人たちも年々多くなっているようだし。。。

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 それにしても、漢字の力で地域興しとはびっくりです。

 やはり象形文字以来数千年の歴史を経てきた「漢字」には、霊力というか、底知れぬパワーが潜んでいるんだな〜と感じます。

 わが名前(信雄)も大事にしないと。