これからはミニコミ

 「こごた河北」というミニコミ紙があるんです。年6回、わが故郷(旧)小牛田町で河北新報朝刊に折り込まれます。今月号に私の書いた記事が載りました。
 私の同級生がメンバーとなっているNPO法人「小牛田セミナー」で編集し、やはりメンバーである河北新報の専売所で発行しています。

  →小牛田セミナー

 58号にもなるとネタ探しも大変なのか、同級生から原稿の依頼が私めに来まして、一ヶ月ほど前に「悲しい仕事」というタイトルの原稿を送りました。

 一昨日、その同級生が記事を掲載した新聞と、お礼の図書券を持って会社に寄ってくれました。

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 10月1日の河北新報に折り込みされたのですが、私は涌谷町に住んでいますから配達はされず、発行を知りませんでした。

 ところがいつものように夕方、小牛田の実家へ父の食事を作りに行ったら、父から「載ってたな。頼まれたのか?」と言われました。

 それから数日して、従兄弟の保険屋が会社に寄ったとき、「読んだよ」と私に言います。

 そして昨日、実家に行くとき車を置いていくお寺の駐車場で、近くの寿司屋の先輩に「見たよ」と言われびっくりです。

 小さなミニコミの、しかも小さな記事なのに、いろんな方が読んでくれているものだとびっくりしました。

  →悲しい仕事

 (一度このブログに書いたものを編集した記事です。皆にも知ってもらいたくて)

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 その後寿司屋の先輩とは夕暮れの駐車場で、しばしあれこれ世間話をしました。

 私が書いたのは「原発」作業員の話だったので、そちらの話題となりました。

 河北新報の宮城県知事選アンケートによると、女川原発再稼働に「反対」「どちらかと言えば反対」が合わせて60%だそうです。

 私は独り言のように先輩に問いかけました。

 「それでも半分近くの人が賛成してるのはどういう理由なんだべね〜?近くの福島であんなになったつのにね〜。。。」

 先輩は静かな口調でこう言いました。

 「ノボちゃん、みんなえらく単純で詳しいこと知らないんだよ。実は」

 「俺は店でいろんなお客さんと会ってからわかんだっけっとも、今今の景気にしか興味ないっていうか、それだけ余裕ない人だらけなんだでば」

 「ところが、マスコミなんかの報道と違って景気なんか全然良くなってねのさ。ムードにだまされてばっかしなのっさ」

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 今やマスコミ、ほとんどのテレビ局、都市部の新聞なんかは政府と同じファーストクラスに座る人々みたいです。

 錯覚させられながら、すり替えさせられながら、いつも必ず日本人の得意技「忘却」に行き着かされてしまいます。

 多くの庶民が自分で自分に話しています。

 「もう3.11以上の大災害なんか(しばらく)来るわけね〜っちゃ」

 「人間の叡智や技術は進化し続けるんだし、お上(かみ)だってしっかりと責任を持って私たちを守ってくださんのさ(そのはずさ。。。)」

 「福島の人たちは気の毒だったなや〜、おらほの女川はしっかりしてっから大丈夫。」
 そして放射能の恐怖は想像できず、電気料が月数百円上がることのほうがが強い恐怖となっているようです。

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 そんな「命」とか「未来」とかにはト〜ンと無責任なこの時代の「マスゴミ」、もう頼りになるのは「ミニコミ」だけかもしれません。

 「こごた河北」みたいに、素人だけれど倫理観のしっかりしたメンバーがつくるミニコミ紙や地域FM放送なんかがそうです。

 会社にしても、いろんな仕掛けにしても、大きいものはとても「無理」が多くて(大きくなって)、人間性を偽っていかなければそこで仕事が出来ない世の中になってきました。

 かつて、山本直純が気球に乗って「大きいことはいいことだ」と歌っていました。

 70年代、森永ビッグチョコレートのコマーシャルでした。

 これからはその逆、みんなで「小さいことはいいことだ」と歌っていかないと地球は破滅に向かいそうです。

 原発やリーマンがいい例です。 

 私たちだって、このまま巨大システム信仰を続けるならば、大きなご主人の家畜で一生を終わってしまいそうです。

 「少年よ、小さな大志を抱け!」

 クラークさんの文章をもじったこの言葉、意味深と思いません?