久しぶりの松島めぐり

 大人の観光は小雨降る日がとてもいい。昨日は日本三景「松島」観光をしました。ボランテイアで来てくれた吉見さんに東北の景勝地を案内してあげようと思い、われわれ夫婦と三人道中です。
 午後二時のバスで仙台から東京へ帰るということなので、半日だけの観光です。
 
 選んだ先は日本三景「松島」。我が家から車で40分、そこから塩釜を通って仙台まで送っていくことにしました。

 実はこの松島、私にとって「近くて遠い場所」だったんです。すぐそばにあるためか、車で通ることは数多くあってもほとんど観光をしたことがなかったのです。

 さて、9時出航の松島遊覧船に乗船、小学校以来の松島湾クルーズに出発です。

 ところがですよ、いいじゃありませんか!!

 小雨にけぶる松島の二百数十の個性的な島々・・・

 船に舞い来るかもめの水兵さん・・・

 さすが日本三景です! 小雨で少しかすんだ風景は水墨画のタッチで、とても大人向けの落ち着いた風情です。

 50分の楽しい船旅でした。外洋では少し風が強くて揺れたのも、とてもスリリング!吉見さんは「遊園地の絶叫マシンみたいですね」と楽しんでいました。

 船を降りればすぐそこに、あの有名な「瑞巌寺(ずいがんじ)」です。伊達政宗の菩提寺であり国宝指定の古刹です。

 杉の巨木が整然と続く長い参道・・・こんな小雨の日こそ、まさに「幽玄」のたたづまいです。(大人向きだな〜、実にこんな日は)

 参道の奥を左折すると「円通院」という寺院があります。ここが穴場なんですね。京都御室のお寺を彷彿とさせます。

 雨に濡れて、ところどころ小粒の真珠のようにそっと輝く苔の絨毯、これも大人向けのもてなしですね・・・。

 出口の茶屋で甘酒をみんなで飲んでいます。

 こちらは「五大堂」

 有名な松島の牡蠣焼きなんかも食べ、いよいよ仙台へ出発です。

 道中、津波の痕が所々の壁にグラディエーションのように残る塩釜や多賀城を通って仙台駅へ到着。

 ここで仙台名物牛タンです。私たち年配のものは厚過ぎる牛タンよりも、ほどよい厚さでみそ味もある「伊達の牛タン」が好物です。

 吉見さんは「うまい、うまい!」とご飯を二杯も平らげました。

 さて、ほんの数日のボランティア体験、こんなの何のお手伝いになるの?と思う人もいるかもしれません。

 でも私は違うと思うんです。作業の量より、実態をこの目で見て自分の体に感じることって、本人にも大事な経験になるし、それを伝えることとか、末永く被災地に思いをいたすことにつながると思うんです。

 つまり「絆」を結ぶということが大事じゃないかと・・・(被災地の方々にはなんか生意気言ってる感じで申しわけありませんが)

 3交代4交代の変則勤務をしている職場で、貴重な休暇を、短期間であれ、このようなボランティアをしに来よう、自分の目で見よう、という気持ち。なかなかできないことだなと私は思います。

 最後に吉見さんの感想です。(彼は南三陸町歌津地区で瓦礫撤去の作業をしてきました)

 「リーダーさんから決して写真を撮らないでください、と言われました。また、仮設住宅には洗濯物が干してありますが、閑散として、まるで誰も住んでいないような雰囲気でした・・・」

 「テレビでは復興が元気に進んでいる印象を与えますが、ほとんど被災時と変わらない現状にびっくりしました」

 歌津でのボランティアさんは当日100人くらいだったそうです。だんだん少なくなっていく支援の輪・・・。

 このブログを読んでらっしゃる方や、お知り合いの方でボランティア希望の方いらっしゃいましたら、ぜひ我が家を使ってください。送り迎え、宿泊、食事、東北観光すべて無償提供させていただきます。

 新たな「絆」づくりって、私にとっても本当にうれしいものなんです。どうぞご遠慮なく。

 私への連絡メール kawasima@lets-co.com