お彼岸のレジ風景

 昨日は彼岸の中日。墓前に供える花を買おうと我が町の巨大スーパー「イオン」に行きました。いつもなら、空港のように広い店内は人まばらなのですが、昨日は大入り満員。レジは長蛇の列となりました。

 考えてみると、レジの列というのは数十年も前から同じ光景です。なんとかならないものかな〜と並んでいる間あれこれ空想してみました。

 スーパーのレジ、映画館の売店のレジ、ファーストフードのレジ、これらは同じしくみですね。

 一人づつ精算し、品物を渡すという一人一括処理方式です。

 たぶん、売る方からすればもっとも能率がいいのでしょう。

 しかし、買う方からすればずっと重い荷物を持って立ち続けていなければなりません。とても不愉快です。

 セルフサービス精算機も増えてはいますが、しくみは同じ一人一括処理方式です。

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 少し工夫を加えている業界もあります。

 たとえば大病院の会計。

 整理券を渡し、進捗を随時表示しています。その間は座ってテレビも見ていられます。

 さらに対面処理は最小限にして、最後は自動精算機で支払いですからあまり渋滞もありません。

 大崎市民病院では、この改善がなされてから待ち時間は従来の半分以下になりました。

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 インターネットのパケット通信方式を応用した精算システムなどもありうるのではないでしょうか?

 パケットとは「小包」のことです。

 パケット通信では、ひとつの伝送情報を細かく分断し、小分けにしてバラバラに伝送します。

 その際、同じグループの情報であることを示すコードが付けられます。

 伝送経路はどこを通ってもかまいません。

 受け取るときは、小分けの情報がもういちど集合し、送ったときの情報と同じになる仕組みです。

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 これをスーパーにあてはめるとどうなるでしょう。

 各売り場では、通路に並行して荷物カゴを流すベルトコンベアが走っています。


(写真は文中のコンベアと用途は異なるものです。参考イメージです)

 買った商品はそのつどコンベア上のカゴに入れます。

 このとき、自分のクレジットカードか、入店時に受け取る「ICタグ」をカゴのスキャナーにかざし、自分が買ったものだと認識させます。

 カゴは売り場ごとに別々に、何個使ってもかまいません。後でまとまりますから。

 コンベアは常時流れ続け、精算コーナーのスキャナーでそのつど自動計上されていきます。

 商品の包装にマイクロICチップが使われていれば、リアルタイム計上も可能でしょう。

 自動計上が終わったカゴは、立体駐車場のような構造の収納コーナーに着き、同じ購入者のカゴが同じレーンに収納されます。

 買い物客は買い物が終わったら、カゴ収納コーナーの近くにある自動精算機に自分のカードや「ICタグ」をかざし精算します。

 無事精算が終わると収納コーナーのロックがはずれますので、買い物した荷物を持って退店します。

 このとき駐車場番号を入力すると、自分の車を止めた近くまで、駐車場搬送トンネルコンベアーが荷物を運んでくれます。

 あ、そうそう、広い店内では専用自転車で走れると、なお助かりますね。(健康のための運動場として考えれば、これはないほうがいいかもしれませんが・・・)

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 ファーストフードや映画館の売店は、整理券方式にかえてもらうだけでも大助かりです。

 注文はテーブルからI-padで入力すればいいじゃないですか。

 できあがるまで、あるいは精算の順が来るまで自由にしていられるじゃないですか。

 昔の喫茶店や食堂方式のほうが買う方からすれば都合がいい、と私は思うのですが?

 あんがい実は不便になっていることが多いのに、それに気づかないというか、慣らされてしまっているのかもしれませんよ。私たちは。

 ディズニーランドで並ぶことを訓練されているから何ともしないんでしょうかね?若い人たちは。

 十年後のお彼岸、レジ風景はどう変わっていることでしょう?