迫力!ダンボール彫刻

 「雨にもマケズ、風にもマケズ」丘の上から下界を眺め回す原始人?。なんという迫力でしょう。しかし、これはダンボールで作られているのです。迫力のオブジェ、奇怪なオブジェ、親しみのあるオブジェ。様々なダンボール彫刻「紙思考」展が今、「風の沢」ミュージアムで開かれています。観てきました!実にユニーク!

 さて「風の沢」とは何か?一か月前のブログで紹介しました。

 →風の沢の風ノ介さん

 この日は二度目の訪問です。金曜日の午後、春らしからぬ曇天の肌寒い日でした。

 4月から10月までのロングランで本濃源太(ほんのうげんた)さんの「紙思考」展が開催されています。

 →本濃源太さんのホームページ

 「風の沢」の古民家内をすべて利用した展示をメインにして、一万坪以上ある敷地(十年かけて開拓した)の思わぬ場所にも、小動物の彫刻がひょこっと姿を現します。


(これは本物の猫です。)

 それにしてもなんというすばらしきギャラリーでしょう。

 「広大な風薫る自然の中で」「丁寧に修復された古民家で」「ぬくもりある雰囲気で」、これらすべてが展示物のためにあるのです。作品はなんと幸せなことでしょう。

 土間の次の間には「鬼」がいました。


 
 さらに縁側を通って次の間に行きます。

 その部屋には、これまた巨大な「バベルの塔」が・・・

 右上に見える長いものは、隣の部屋から突き出ている「鬼」の手です。

 「バベルの塔」は「原発」を象徴しています。

 小賢しい人間がつくり、果てしなき欲望と闘争にまみれる「バベルの塔」。

 そんなものを「鬼」が壊そうとしているのです。

 陰で人間を秘かにあやつっている「悪魔」。

 どんどこ太鼓を打ち鳴らすお囃子屋は「御用マスコミ」でしょうか?

 やがて姿を現した「放射能」のような「妖怪」・・・

・・・・・・・・

 敷地の別な建物ではなにやら「会議」が開かれていました。

 なるほど・・・

・・・・・・・・

 敷地内を散策していると「あずまや」付近で草取りをしている方がいました。


(あずまやの猫はダンボール彫刻です)

 実は、この方がオーナーである杉浦節美さんでした。

 杉浦さんは私と同年配。東京で会社経営やギャラリーを主宰していらっしゃる、実は本当にセレブな方でした。(ジョディー・フォースターに少し似ておられます)

 (『古民家びと』より杉浦さんの紹介記事)
 →http://cominka.jp/setsumi-sugiura/

 ここで、しばらくの間、この「風の沢」の十年にも及ぶ開拓物語、芸術論議、自然論議などに花を咲かせ、意気投合致しました。

・・・・・・・・

 さてこの後、馬小屋を改造したゲストルームの囲炉裏を囲んでおいしいコーヒーを御馳走になりました。
 

 ここにもダンボール彫刻の仲間たちがいっぱいいます。

 まるで、ずっとここに住んでいる犬や猫のように思えてきました。
 

 私は名前をつけることにしました。「ダンボロイド」どうでしょう。。。?

・・・・・・・・

 杉浦さんには、この後彼女自ら運転する軽四輪に乗せていただき、広大な敷地を案内していただきながら開拓の苦労話、今後の計画、企画について熱い思いを聞かせていただきました。


 杉浦さんの静かな語り口に秘められた知性的パワーと芸術的情熱、そして今までの肉体的努力にすっかり圧倒されました!

 苦労の跡を知るのに言葉は不要です。

 開拓同士の息子さん「風ノ介さん」が自ら改造したこの車を見れば。

 やがて苦労はこんなすばらしき風景に結実していきました。

 私が今計画を進めている「あったかギャラリー」と何か連携ができそうだなと感じました。

 もう夕方になっておりました。

参考
 宮城県震災復興企画部で作成した紹介記事
 →美しい里山、「風の沢ミュージアム」の心意気。 (栗原市一迫)