ソニーもパナソニックもシャープもみんな、あっという間に衰退。。本当に必要としている人たちを見ないで、若者受けばっかし考えてきたからこうなったんじゃないですかね?
(とても重宝している象印アイポット)
年寄りは毎日がサバイバル
米寿の父は暑さにとても弱いので、今年の夏はサバイバルです。
太平洋戦争、シベリア抑留で経験したサバイバルが、晩年、暑さとの闘いとして、またも経験させられるとは。。。
というわけで、私は会社帰り毎晩父の所に寄って様子を見たり、食事を作ったりしています。
おかげで三十分くらいで三品くらい料理?を作れるようにはなってきたのですが、そこは男素人の泣き所で味は今一。
何にも文句を言いませんが、食べさせられている父としては「餌」と感じているかもしれません。
電話機を買い換えたら?
そんな日々の生活の中で、ほんとに年寄り向けの製品は少ないな〜と感じることがしばしばです。
たとえば、この前、固定電話機の調子が悪くなったので、さっそく買い換えました。
一番ボタンが大きくて、一番機能が少ないものを選んだのですが、実は「子機」のほうが使いにくい。。。
ボタンは小さく判読困難だし、似たようなボタンが並び、押し間違いを起こします。
耳も遠いので「高音量」と書かれた機種を選んだのですが、最高にしても私がほどよく聞こえる程度です。どこが高音量?と思いました。
いいのは、以前と比べて値段が大幅に安くなったことだけです。
本当は無理して使っているのに
日本では、今や4人に一人が65歳以上の高齢者です。
この世代に向けた商品をなぜもっともっと開発しないのでしょうか?
とても不思議です。
こんな記事をよく目にします。
「パソコンを使ってるお年寄りが多いですよ」
「スマホや携帯、メールも元気にバリバリ使ってますよ」
だけど私は「そうかな?」と疑問に思えるんです。
「本当かな?無理して使ってるんじゃないのかな?他にどうしようもなくて・・・」
年寄り向けは「フェイク」
あんな、小さな電子機器、増加する不要な機能、飛び交うゴミ情報、まるでお年寄りが「情報スラム街」に投げ込まれてしまったように思えるんです。
さらに家電類も同じ。使いやすさを考えていそうで、何かが違う。
支援機能を追加しても、ボタンがどこにあるかわからないとか、小さいとか、色を付けても多すぎて意味不明とか。
まるでアメリカ映画に出る(中国みたいな)江戸時代の映像みたいなもんです。つまり「フェイク」です。
家電栄光期のわけは?
ひるがえって、日本家電界の発展期をみれば、そこには明確なターゲット設定と、狙いを外さないコンセプトがありました。
たとえば、ソニーのウォークマン。若者をターゲットにして彼らの志向にピッタリの製品を創出しました。
シャープお得意の液晶テレビだってそう。狭いマンションでも家族がゆったり大画面で見ることができるファミリー志向がありました。
この頃のすべてのメーカに特徴的なのは「若者」「家族」という客層でした。
たとえば1995年の高齢者比率は14.5%と、今より10%も低かったわけですから、当たって当然だったでしょう。
高齢者市場こそ「宝の山」
さて、巷では日本メーカーの不振の原因を、「イノベーションの不足」やら「過剰投資」やら「集中のし過ぎ」やらと分析しています。
私は、もっと大きい原因は「年齢層」に対する無関心にあると思っています。
バカの一つ覚えのように、「若者向け」「若者受け」を狙い、それだけが進歩だという誤解にあると思います。
国内の高齢者市場、それは、実は世界でも同じ状況にあるはずなんですが、それこそが、今一番の有力市場という認識がとても低いからだと思うんです。
きめ細かい気配り、高い技術力をもった日本のメーカーが、「高齢者市場」こそ「宝の山」「革新の実験場」と考えれば、すばらしい役に立つ製品を次々に産み出せるはずなのです。
オヤジのコンプレックスが原因
なぜ、そうならないのか?
それはパソコン出現以来の、私たちオヤジ世代のコンプレックスにあります。
よくこんな話をしませんか?
「いや〜、技術進歩はスゴイね!娘たちなんか携帯やらスマホやら自分の体の一部のようにして使いこなしてるからね〜。俺たちは古い人間なんでお手上げだね」
と、ゴミ(情報)のやりとりをしている(バカ)息子娘たちを熱い目線で自慢げに見ています。
ほんとうは、「なんで俺たちが使いにくい物ばっかりつくるのかな?」と不満を持つべきなのに。
もう、あきらめているのです。
結果、商品開発は、目もいい、指も動く、記憶もいい、若い者だけが携わり、老人向けはおまけのフェイクしかできないのです。
日本人の文化とは「テレビ文化」
最後に商品提案です。
日本人の文化とは何か?
それは、実は「テレビ文化」なのです。
そして、テレビはどんなお年寄りでもその使い方の基本をしっかりマスターし、さらに生活を支えているものなのです。
ですから「シルバー情報機器」とは「シルバー情報テレビ」として進化させるべきなのです。
ソニーもパナソニックもシャープも若者向けはアップル・サムスンに任せて真似っこをし、本業は「シルバー・クオリティーの革新」に注力するのです。
「生活を支える家電」こそ革新的
まず、テレビにメール表示機能を付けます。発信は携帯でもパソコンでもできます。地震警報と同様に自動的に表示します。受信確認を発信側でわかるようにします。
それらをワンタッチで印刷するFAX機能も付けます。
i-padやスマホなんかはテレビに「ドッキングポート」を付けて、大画面で、しかも簡単に使えるようにもします。(これで家族とも共用できる)
テレビを「生活を支える家電」と位置づけ、多様な商品をオヤジ世代以上が企画の中心となって開発すれば、小金持ちのお年寄りは泣いて喜ぶことでしょう。
日本メーカーの苦況の原因は、「どのように」というビジネスノウハウだけを勉強し、「何のために」という人間価値を吟味してこなかったからだと私は思います。
それは「顔の見えない株主」に仕える「雇われ司祭(社長)の会社」に成り下がってしまったことに根本原因があると思います。
私は昨今の「原発問題」で、経済界のそんな情けなさをとくと知ることになりました。