坂口恭平さんの本質は「アーティスト」です。だから彼が作る「掘っ立て小屋」は刺激的でカッコいいと感じるんですね。
当ブログに何回も出演された坂口恭平さん。
先月は東京「ワタリウム美術館」まで行って、彼の「新政府展」を見てきました。実に刺激的でした!
仙台でモバイルハウス
その彼の作品が仙台でも展示されていると知って、土曜日に「仙台メディアテーク」に行ってきました。
展示していたのは、彼が若い連中と一緒につくった畳1.5畳分くらいのモバイル掘立小屋一台?だけだったんですが、どこか親近感を感じる家?(車両?オブジェ?)でした。
(「現政府レイヤーでは 中に入ることが できません!」と書いてあります。)
私とはなんか波長が合うというか、原始的感性に通じるものがあるように感じるんです。
「アナーキー」とか「野生」へのあこがれ、「原初的なもの」への興味なんかかな〜。
彼の作品をそのまま「住居」とはみずに、彼のコンセプトを象徴する「アイコン」としてとらえると、私たち自身の想像力が働きだすように思います。
『思考都市』は坂口アート満載
さて、彼のドローイング集『思考都市』は、アーティストとしての彼の魅力が満載です。
眺めていると、とてもおもしろく、想像力を刺激されます!!
「多摩川のロビンソン」シリーズなど「実写型スケッチ」もそうなんですが、彼のSF的イメージも実におもしろいです。
ほんの少しだけ紹介します。
学習机の秘密基地
最初は、彼の「モバイルハウス思考」の原点、「小学生時代の秘密基地」です。
ぜひ皆さんも想像力豊かだった少年少女時代にお帰りください。
それは、自分の夢を日々ぼんやりと楽しく紡いだ時代。。。
モバイル生活のアイデア集
次は彼が書きためたモバイル的生活のあれこれ設計図。ユニット発想が、わが構想中スモールハウスに応用できそうです。
仙人は都市に住む
現代の仙人は「山」にではなく「都市」に住む。
彼の著作『ゼロから始める都市型狩猟採集生活』を読むと、なるほどです。
裏返しとなった宇宙
これは実に面白い!カニ缶の中に宇宙が反転して入ってしまった世界。実に想像力を刺激します。
地球最小の店屋
人が暮らすに必要な家とは本質的にどんなものでどんな大きさだろう、それと同様に「店」というもののミニマムを追求することで「店」の本質が理解できるかもしれません。
彼のアートは、そのようなコンセプト自体をアートにしているのだと思います。
インドの街角
彼の絵は「細密画風」「漫画風」「あっさり系」「クレー系」「抽象ふすま絵系」など実に多彩・・・
そのなかの「あっさり系」スケッチです。
巨大細密画『思考都市』
実際に展覧会で見たんですが、びっくりするような細密画を描き、遠くから見るとそれらの全体がまた別な絵になっている作品がたくさんあります。
その中には幅5メートルを超す巨大な作品もたくさんあり、会場で圧倒されました。
たしかこの作品もデカかったな〜。
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人が生きる、生きられる場所とは(本質的に)どのようなものか?
なにゆえに今の状況であるのか?
彼の作品を眺めていると、そのような(人生)哲学的思索を視覚的に促されるようです。