海の水はなぜなくならないの?

 小一孫の質問「じいちゃん、庭の水たまりの水はなくなるのに、どうして海の水はなくならないの?」う〜〜〜む。
 先日孫が肺炎になってしまい、パートタイム看護士のごとく半日ほど孫と過ごしました。

 さっぱり寝ない孫が私に質問したのが冒頭の問い。

 ラジオでは、毎年夏休み頃に子供科学質問コーナーがあって、聞くたびに子供の無邪気かつ根源的な?質問にびっくりしたり微笑んだりしていたものです。

 小学校に入ると、子供の知的興味や論理能力はググッと成長するようです。

 ついに私もわが孫の質問に対して回答する科学者先生のまねごとをする時期に入ったわけです。

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 私はどう答えようかと数十秒考えました。

 そして答えたのは。。。

 「ユウキ、この(瀬戸物の)どんぶりは何でできていると思う?」

 「これはね、固めた土を高温で焼いて作ったんだよ。さ〜ここに水を入れてごらん」

 「水はなくなるかい?なくならないだろう。固い土にはすきまがなくて水は落ちていかないからなんだよ」

 「海の底もこれとおんなじ。とっても固くて厚い土が底にあるから海の水はなくならないのさ」

 「お日様が照って蒸発することもあるけど、また雨が降って足されるから水の量はいつもおんなじくらいあるんだよ」
 孫もなんとか理解してくれたようでした。

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 さて、なんでこんな話をするのかといえば、昨日、会社ミーティングで「応用すること」について話したからです。

 例としてこの話がふと浮かんだのでした。

 私の会社では三種類のメルマガをそれぞれ毎月発行しています。

 その効果を記事毎のページビューで把握しているのですが、今朝の報告では、どんな記事でもその内容にかかわらず、最初のコンテンツだけがとびぬけて閲覧数が多いという結果でした。

 その結果報告を聞いて私が話したことはこんなことです。

 「Web検索の世界では常識のことが、あらゆるところで同じ現象となっているんだね」

 「中身がなくて、ただ目を引こう、読ませようとするのは論外だけど、大切なことを必ず伝えるための方法としてあらゆる仕事に応用する価値大だよね」

 「最初しか見ないんだから、報告書でもなんでも一番大事なのはタイトルで、そこをを工夫することがとても大事だよね。」

 「口頭で報告するのもおんなじ。テーマをきちんと述べて、次はその結果○?△?×?のどれなのかをまず話してもらうと助かるよ」

 「こんなふうに、あることがわかったら似ていることを探して応用していくのが無理なき改善の方法だよね」


→ダンボロイドが住む屋敷より

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 似たことを見つける能力、それを言葉にする能力。これが人類の「理屈」を進化させたようです。

 その結果、言葉が言葉を産み続け構造化し、その延長にある科学(自然科学・人文科学)が際限なく細胞分裂を続けるようになったようです。

 それは「喩(ゆ)」というのだそうです。

喩:[音]ユ(呉)(漢) [訓]たとえ たとえる
  他の例を引いて、ある意味・内容をさとらせる。たとえ。

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 朝のミーティングには私の孫と同じくらいの子を持つ世代も数名いたので、こんなふうに話を続けました。

 「だから子供に学ぶ力をつけたいと思ったらこんなふうに質問するといいよ」

 「それって何と似てる?どうしてかな?」

 「もうひとつある。子供の年齢で読めるかな〜なんて考えずに、子供が興味を示すことが書かれている本を子供の周りにそろえて上げるのがいいね」

 「子供は自分の疑問や関心について教えてくれそうなものがあったら、たとえ漢字がいっぱいの本でも読もうとするよ」

 「そんなふうにして、子供の頃から疑問を持つ習慣を持った子は一生学ぶ習慣がついて、かけがえのない財産になるるんだよ」
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 さて、話は変わって政治や社会の話。

 安倍晋三さんが財界から脅されているのか、自らの信念なのか、トップセールスでトルコに原発を売ってきたそうです。


 
 地震国であるトルコには、同じく地震国である安全な?日本の原発が最適だという能書きだそうです。

 もう私と同世代でもあるこの方の開き直りには、怒り、幻滅を超えてある意味「尊敬」の念すら感じてしまいます。

 「国」のために自らの「人間性」を捨てる覚悟で政治に臨んでいるようですから。。。

 「今今の経済」のために「人類の未来」さえ捨てる覚悟で政治に臨んでいるようですから。。。

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 ついつい、今日のテーマである「似たもの探し」に思考が走ります。

 これって、他の社会問題ならこうするってこと?

 「みずほ銀行は暴力団融資銀行ではあります。しかしメガバンクは国の大事な財布であります。私は国のためトップセールスでアメリカ、イタリアに行ってまいります。そして暴力団の代わりにマフィアへの融資を斡旋してきます。誇りある日本のために」


(「ミンボーの女」より)

 「食品偽装よりも国を代表する立派なホテルの存続が大事です。オリンピックで世界のお偉いさんが泊まるハイレベルホテルを私はトップセールスで助けます!諸外国をまわり、日本ではエビの形をしていればみなエビなのだ、日本ではザリガニだってエビなのだと説得してきます。誇りある日本のために」


(孫とザリガニ)

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 似たもの探しを大人も少し努力しないといけません。

 そうしないと「融資偽装」も「食品偽装」も「汚染水偽装」や「原発安全偽装」と同じであることに気づかないままになってしまいすね。。。

 そんな大人が子供に何を教えられるんでしょうか?

 反省と「喩」の修行に励まねば!