高倉健さんが亡くなりました。昔の「男顔」がまたひとつ消えてしまったのが残念です。
どうも男の顔が変わってきたように思えます。
テレビの俳優とか、どうしてこんなにあごのほっそりしたイケメンだらけなんだろう?
四角い顔、いかつい顔は自然淘汰されてしまったのだろうか、と感じるこの頃です。
そして思うのは「みんな似た顔だらけになったな〜」
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そういうわけで高倉健さんの写真をほれぼれと見直してしまうのでした。
かつて同じ思いを抱いたのは、三船敏郎、勝新太郎、緒形拳の顔でしたね〜。
昔の男顔が絶滅危惧種となったのと軌を一にして昔の「男の美学」が滅びかけているのかもしれません。
高倉健「自分は。。。」
三船敏郎「男は黙って・・・」
忍耐の美学、群れない魅力、ストイックな美学というものでしょうか。
「責任感旺盛だが不器用で愛想が悪い、しかし根は優しくて頼りになる」という感じですね。
仕事でも家庭でも「親分」「大黒柱」といった感じでしょうか。
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でもそんな「昔の男」が少ないだけに、かえって魅力的に思える時代でもあります。
顔だけではなくて「声」もそうですね。
私がよく聞いている東北放送では、私が高校の頃に深夜放送のディスクジョッキーをしていたアナウンサーが今でも現役です。
若いアナウンサーはどこか腹に力が入っていない感じがするし、何か無理してるような気がします。
その点ベテランアナウンサーは、まさに「老舗の味」。懐かしくていい味出しています。
年齢ゆえ滑舌がかなり悪くなっているのですが、それでも出演させるラジオ局に敬意を表したい思いです。
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都市部の放送局でも、黒柳徹子さん、永六輔さん、研ナオコさんなど滑舌が悪くなっても現役出演中ですね。
これも見かけ聞きかけのキレイキレイよりずっと味があって嬉しいものです。
びっくりするのは、四十数年前の「オールナイトニッポン」のDJ、カメさんこと亀渕昭信氏がラジオに現役復活したことですね。
なにせ「ニッポン放送代表取締役社長」にまで上り詰めた方でしたからね〜。
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さて、絶滅危惧種の「昔の男顔」ですが、最近アメリカのテレビドラマで、今の人ですばらしい「昔の男顔」を発見しびっくりしています。
ネットで見ることが出来るテレビドラマ『マッドメン』の主人公です。
1960年代アメリカの大手広告代理店を舞台にした生々しい人間ドラマです。
主人公ドンを演じている役者のあまりに「昔の男顔」にびっくりしながら時々ipadで視聴しています。(huluで視聴しています)
こんな顔した俳優がまだいるのか!と驚きです。
この頃はアメリカも日本も「大人はタバコを吸う生き物である」という世の中でした。
そのため番組中ずっと男も女もタバコを吸い続けますので、見ていて具合悪く感じるときもあります。
でも、それゆえ当時を彷彿とさせられ、その頃存在した「昔の男顔」に惹きつけられるのです。
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高倉健さんという昔の男をまた一人喪った今、これからますます価値をあげていくのではないでしょうか。
「昔の男顔」「昔の男声」「昔の男美学」
そのようなアナログ的豊かさ深さに満ちたレトロの価値を、特に放送局は大事にしてほしいものだと思います。