ミニチュアの古民家

 隣町にある酒造元「一ノ蔵」が主宰している「酒ミュージアム」で、同好の士二人による「ミニチュア古民家二人展」を見てきました。
 数日前にテレビニュースで紹介されました。

 作者は大崎市古川在住の板垣弘氏、仙台市青葉区桜ヶ丘在住の和泉稔氏のお二人です。

  →展示会の案内はこちら

 アップで映されたミニチュア古民家の内部には、「囲炉裏」やら「くど(かまど)」やら「裏座敷」まで細かく再現されていました。

 あまりの精巧さに感嘆し、そのうえノスタルジアにもかられ、実物をどうしても見たくなりました。

 連休の中日、夕方になってしまいましたが行って見てきました。

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 閉館ぎりぎりの時間で、早くも「本日は終了しました」の看板が掛かっていましたが、せっかく来たんだからと、扉を開けて入りました。

 思いがけず、受付のおばさんが気持ちよく通してくれました。

 それも「閉館したので無料でいいですから」と言って。

 館内は当然私一人、受付のおばさんも一緒についてきてあれこれ説明してくれました。

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 それにして細かい。。。

 古民家や昔の暮らしに深い愛情がなければ絶対作れません。

 瓦屋根を再現するために「まつぼっくり」の皮を一枚一枚はがして貼ったそうです。

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 受付けのおばさんは私を案内しながら独り言のように言いました。

 「心が和むのはどうしてなんでしょうね〜」

 「この頃は貧しくても豊かなものがありましたよね〜。きっとそれが懐かしいんでしょうね〜」

 「囲炉裏にかけた鍋をみんなで食べましたよね〜」

 私もこたえました。

 「そうですね〜。私自身は古民家に住んだことはないですけど、父の実家はまさにこんな感じでした」

 「あの頃は、農家でも町場でも家族みんなでご飯食べてましたよね〜」

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 会場の外に出るともう日は落ちていました。

 ここから4キロ先には私の実家があります。

 いつもは一人暮らしの父のご飯をつくって自宅に帰るのですが、この日は久しぶりに父と女房と私の三人で鍋をつくって一緒に食べました。