新しいITは新しいコンサルで

 今日、とても感動したことがあります。相棒クマさんのコンサル助手で何度かお伺いしている岩手県の工場でのことです。席に着くやいなや、女性のIT推進メンバーがニコニコ顔で「この動画、クマさんにぜひ見ていただきたいんです!」と言うのです。

 その動画は、「紙の日報よ、サヨナラ!」を全社的に展開するために、中心メンバーたちが部門を超えて共同制作した数分間の社内キックオフ用動画でした。

 すばらしくて、あほらしくて(褒め言葉です)、実に感動的で、クマさんも私もゲラゲラ笑ってしまいました。

    なにせ反対派の現場の方もドキュメンタリーで登場しているんです。その方とのやりとり、そして互いの納得、これらが劇場映画の予告編のように、とてもおもしろく制作されていました。

 私はこの動画を見て、この会社でIT化は大いに進むだろう、社員全員がイキイキと働ける職場つくりが進むだろう、と確信しました。

 なぜなら改善を楽しんでいるのですから。それに全部門を巻き込んでいるのですから。

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(今日のコンサルの様子、役員さんも若手もメンバーです)

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 さて、私の若き相棒(といっても44歳)クマさんは、「2019年サイボウズ・ベストコンサルティング賞」を受賞したカリスマITコンサルです。コンサルした会社は毎年のように「kintone AWARD グランプリ」に輝いています。

 20代の頃、彼は私の会社でバリバリ働いてくれていました。その後独立しIT会社を経営しましたが、様々な経験と大変な努力の末、彼ならではの「ITコンサル道」をつくりあげました。

 →きっと★スマイル新聞

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 退職後暇を持てあましてうつ病になりそうだった私は、そのクマさんにお願いして、今年の7月から彼のコンサルの助手をさせてもらっております。

 比較的近場にある宮城や岩手の会社5,6社に毎月同席させてもらい、私なりのアドバイスなどもさせていただいております。

 おかげさまで健康を取り戻せました!

 さて、客先で彼は私を「師匠であり顧問です」と謙遜して紹介してくれるのですが、彼のコンサルを見てると、もうその逆だということが実によくわかりました。

 そして思ったのは、「新しい酒は新しい革袋に」のごとく、「新しいITは新しいコンサルで」ということです。

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 今、業務ソフトはクラウド環境に変わり、ITツールも今までとは違うタイプに切り替わろうとしています。

 その代表的なツールの一つが、サイボウズ社のクラウドアプリ「kintone(キントーン)」です。

kintone.cybozu.co.jp

 今までのITツールは「私使う人(ユーザー)、あなた作る人(業者)」でした。けっこう大がかりで、一度作ると変更は難しく、お金もだいぶかかるものでした。

 Excelなどで内製したとしても、社員間で共有したり、逐次使用するのには無理がありました。

 ところがサイボウズ「kintone(キントーン)」は、自分たちで自由につくり、随時変更もしていけるのです。しかも月額使用料制ですから金額もあまり負担とはなりません。

 つまりITシステムの「自給自足」「DIY」ができるのです。

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 とはいえ最初から自分たちだけでつくるのはなかなか困難です。課題の一つは現状のしくみを改善すること、もう一つはツールを使いこなすことです。

 ここにコンサルの出番があるわけですが、新しいITコンサルタントであるクマさんは、そのスタイルが今までとは違います。

 今までのコンサルと受講者は先生と生徒の関係でしたが、クマさんの場合は「コーチ」と「選手」の関係に変わりますあるいは兄貴と弟妹たちみたいな関係といえるかもしれません。

 選手たちは問題や課題を自由に発言し、それをクマさんが上手に分類整理します。そのあと、皆と一緒に調査や解決のためのアプリをkintoneで作り上げていくのです。

 約2時間のコンサルの間に最低アプリ一本は完成し、そのアプリは翌日から実際に使われます。次回のコンサルで皆で改良点を話し合いながら改善を続けていきます。さらに別な課題に向けて新しいアプリが次々と生まれていきます。

 まるで粘土細工のようにして、使いながらだんだん良いものに成長していくのです。このプロセスを通じてメンバーはツールの使い方を習得し、さらに職場の問題点や課題について共通認識していきます。チームワークが育っていくのです。

 無理がない、皆が参加できる、失敗が怖くないだんだん良くなるというシステムつくりはとてもすばらしいものだと、同席のつど強く感じます。 

 彼のコンサルに同席していると、特に若いメンバーがイキイキとしているのにもびっくりします。「おうスゴイ!」とか「これでいこう!」とか、笑顔で呼応しあう光景をよく見ます。みんなのやる気が私にも伝わってきて、とても元気をもらえます。

 このようなコンサルは私など旧世代IT人種にはとてもマネが出来ません。しかし、私の経験に基づくノウハウや考え方はメンバーにもクマさんにも少しは役に立つことはあるようでホッとします。なにせこの「コンサル助手」の仕事こそ私の健康のもととなっていますので。クマさん、今後もよろしくね!

 →商いは売買から共創へ